ユーキャンの学習だけで難関の社労士試験を突破することはできるのでしょうか。実際にユーキャンで学び、社労士になった私個人の見解を申しますと、残念ながら非常に難しいと思います。
これは決してユーキャンのクオリティが低いというものではなく、他の専門学校や通信教育にも共通して言えることなのですが、1つの学校の教材だけで勉強していると、どうしても偏りが生じてしまうからです。
各々の学校ごとに教材の特徴やクセがあり、重要論点やヤマの張り方が学校によって微妙に傾向が異なります。例えば自分の学校の答練では良い点が取れるのに、他校の答練ではボロボロということがよくあります。それは自分の学校で重要と強調されているところがそのまま答練に出題されるため得点が伸びるのに対し、他校で別の重要論点やヤマを元にした問題が出題されると、点数が伸び悩んでしまうのです。
ユーキャンでの答練成績は良いのに本試験で点が取れなかったという事態になるのは最悪です。では自分の実力を全国標準レベルにするにはどうすればいいのか。それは直前期にユーキャンの全国模試だけでなく、大手3校（TAC・大原・LEC）の全国模試を受けることです。
この3校の全国模試を受けることで全国に通用する学力が身に付くと同時に、他にもメリットがあります。
選択式対策に絶大な効果がある
本試験の選択式で難しい問題が出された場合に、もしどこかの模試が的中させた時は、その学校の受講生には大きなアドバンテージとなります。択一式の1点と選択式の1点では重みが全然違いますから、他校の受講生と1点でも差を付けられるわけにはいきません。
それとTAC、大原、LEC、そしてユーキャンの受講生で合格者の大半を占めるので、4校とも外した論点で難問が出題された場合なら救済措置が発動する可能性が高くなりますが、どこかの学校が的中させた場合は、発動しない恐れがあります。そういった意味でも全国模試を横断して受験することが大切なのです。
択一式の一般常識対策としても有効
労一、社一の試験範囲はとても広く、各校で白書対策や統計対策など一般常識オプション講座が開講されますが、試験に出ることはほとんどありません。
繰り返しになりますがユーキャンを含めた4校の受講生で合格者の大半を占めていますから、4校の全国模試で出題されなかった労一、社一の論点は、ほとんどの受験生が解けないので、合否に影響しないのです。つまり落としてもいい問題ということです。
全国模試は究極の予想問題集ですから、4校の労一、社一の問題を理解して覚えることが、最も効率の良い一般常識対策になるのです。
まとめ
ユーキャンの教材は本当に完成度が高いので、基礎力を付けるには最適です。ですがユーキャンの社労士講座だけで合格するのは容易ではありません。直前期にユーキャンの全国模試に加え、TAC・大原・LECの全国模試を横断して受験することで、合格に必要な実力は万全となります。
正直、1校の全国模試の受験、復習だけでも相当の体力と時間を要しますが、社労士は実質的に競争試験ですから、ライバルを上回る努力が必要です。大変とは思いますが、ぜひ大手資格学校の全国模試に挑戦してみてください。
ユーキャン社労士講座サイト
